〜 産婦人科医院スタッフによる妊娠体験記(30代・伏見区)〜
vol.5

🔹〜池田産婦人科医院スタッフによる妊娠体験記〜🔹vol.5
🐶 8週目
🔸お腹が出ている。食べ過ぎて太った時の、下腹がポヨンとなる出方ではなく、お腹全体がズシっと前に出て、中身も詰まっている感じがする。
🔸便秘も下痢もなくなりすっかり胃腸の調子がよい。調子がよいのでどんどんご飯を食べられる。以前の少食自慢だった頃の面影をかけらも感じさせない食欲である。カフェで頼んだカレーの量が少なくて物足りないことに愕然とする。外食して「足りない」と感じるなんて、人生で初めての経験である。周りの妊娠経験者が口を揃えて「臨月になると息をしているだけでどんどん太っていく」と脅してくるのに、妊娠3か月でこの食欲では臨月にはどうなってしまうのか……。
🔸夫と近所のおしゃれなカフェでランチ。ランチセットのメニューを見ると
A. ブルーチーズ
B. 生ハム
C. ローストビーフ
D. スモークサーモン
と、一般的に「妊婦が控えるべき」言われる食材ばかりが見事に並んでいてひっくり返る。なんとか1種類だけ、食べられそうなミートソースのメニューを見つけて注文。妊婦とは制限の多い生き物である。また別の日には、知人宅で開催された茶道の茶会に夫婦で伺った。カフェインもなるべく控えているのでお抹茶は遠慮して、お白湯をいただいた。茶会の後の食事会では寿司とビールと日本酒とワインが振舞われ、客人のひとりが手土産に持ってきた生ハムとチーズ、洋酒入りチョコレートがテーブルに並んだ。ノンアルコールの飲み物はペットボトルの緑茶。この日も妊婦が口にできないものばかりであった。目の前の寿司を食べられない悔しさに血の涙を流しながら、気の毒がって夫が取り分けてくれたかっぱ巻きとかんぴょうと蒸したあなごの寿司をほおばっていた。夫がわたしの分もサーモンとトロと鉄火巻きを食べてくれた。出産したら絶対最初に寿司を心行くまで食べると心に誓う
🐶 9週目
🔸常に気になるわけでもないが、ふと気付くと腰回りに生理痛のような鈍痛がある。お風呂に入ったり、腰の下に電気あんかを敷いて眠ったりした後は感じないので、冷えによるものかもしれない。なるべく日中も腰にカイロを貼って過ごす。
🔸服装はニットのゆるいワンピースを2-3枚とお腹周りのゆるいニットパンツをひたすら着まわしている。今からこんなに体のラインを甘やかす服装をしていて、臨月のころには一体……(恐ろしいのでもう考えないことにする)。
🔸食べ物とトイレの話ばかりで妊娠してから全然仕事のことを書いていない。仕事に関して、ありがたいことに全然ストレスがない。職場では結婚した時点から周りの方が「新婚生活いろいろと大変だろうから」と言ってわたしは仕事の負担を軽くしてもらっており、妊娠するとさらに「大事な体なんだから」と言って早く帰らせてもらったり、荷物を代わりに持ってもらったりしている。みんな毎日のようにわたしの体を気遣ってくれており、相当に恵まれていると感じる。おかげさまで結婚・妊娠にあたり大変シームレスに労働環境を調整できた。周りの方々に心から感謝するばかりである。負担が少なくなった分、取り組んでいることには精一杯誠実な仕事をしようと思う。
そしてつわりのだるさも仕事をしている間は気が紛れて忘れる。仕事に集中している間はずっと元気である。自分の生活に仕事があってよかった。今は職場まで徒歩通勤なので、往復約30分歩くのが日々のちょうどよい運動にもなっている。なるべく出産直前まで元気に仕事をしたいと思う。ちなみに出産後もなるべく早く復帰する予定である。そのためにもなるべく健康を維持して、トラブルなく妊娠生活を送りたい。何か起こったらその時はその時で仕方ないが、なるべく無事に過ごせるよう日々の節制を改めて誓う(今の感じだと一番気を付けるべきなのは食べ過ぎである)。
🔸母子手帳をもらってから初めての妊婦健診を受ける。ついに体重計に乗る時がやってきた。おそるおそる数字を確認すると思ったより増えていなくて一安心。エコーを撮っても特に問題なく順調とのことでほっとした。前回およそ2cmだった赤ちゃんの体長は3cmになっていた。1週間で1cmも成長するなんて驚異的な速度だ。頑張って大きくなってえらいね~とお腹に向かって褒める。次の健診は約3週間後とのことで、結構間が空くものなんだな~とそわそわする
執筆者:池田産婦人科医院スタッフM(30代前半・伏見区)
監修:井上 真理子 医師(産婦人科専門医 / 日本産科婦人科学会)

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